マジシャンカールとふなのりデニス作：ディードル・ウルソン / 訳：伴大工
[書籍/絵本]
船乗りのデニスは遠い国の港にやってきた。古い酒場ではライオンのマジシャン、カールのマジックショーが行われていた。見事なマジックで客の喝采をあびるカール。ショーが終わり、デニスはカールに声をかけた。「あんたはまるで魔法使いだよ、その魔法で俺を飛行機乗りにしてくれないか？」カールはデニスにある呪文をかけた…。
独特の乾いた作風で本国アメリカでは人気の出なかった絵本作家ディードル。しかしイギリスでは若者たちに評価され多くの著作がベストセラーとなっている。次作「英雄とアッカンベー」にも登場する名物キャラクター、ライオンのマジシャンカールにはそこはかとなくアンチヒロイズムが漂い、妙な人なつっこさがある。正義の味方でも悪者でもない、泡沫の夢をマジックで与えるカールはまるでひょうひょうとしたロックンローラーのようだ。
＊この「夢で逢えたら」にて紹介している作品はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。